はいどうも! 外出中に貧血でぶっ倒れた僕が三十四本目をお送りします!
夏休みになって、一日一本ずつ映画を観れてます。でも久しぶりに邦画みたら、映画熱がメラメラと燃えてきた! なんとか一日に二本観たいなぁ。
で、このブログは基本的に洋画ですが、今回はめずらしく邦画です。
これはとても貴重な映画で素晴らしいです。なにより世の中からあまり注目されていない「地味でつまんない映画」の傑作なので、三十四本目にカウントします。
ちなみに原作は読んでます。
息子(三十二歳)は、父(五十四歳)と一緒に練馬の別荘へ行きます。
父は毎年この別荘に来ていて、仕事をやめて無職の息子は久しぶりについていくことにしたのです。
避暑にはピッタリの場所で、とても涼しい場所。
でも風呂は五右衛門風呂。トイレはくみとり。虫は出る。携帯は繋がらない。そんな場所です。
二人は、別荘にあった小学校のジャージを着て生活します。息子は奥さんの不倫が気がかりで、父は大自然の写真を撮るのを諦めて、グラビアモデルを撮影している。
息子は小説家になりたい。でも、筆は進まない……。
そんな二人のアンチスローライフです。
ただジャージを着ながら、木を切ったりファミコンをしたり、たまに山を降りてコンビニに行ったり、あとは本でも読んでる。そんなつまらない生活です。
そして後半では、不倫をしている奥さんがやってくる。そしてレタス畑で腕をくまれるが、息子は拒んでしまう。
奥さんは忙しいからさっさと帰ってしまう……。
そして次は、父の娘である花子がやってきます。花子はレンタルビデオ屋からビデオを見続ける毎日。でもピアノ先生が死んでしまい、葬式に出るために帰ってしまう。
残った息子は、一人で小説を書き続け、話は終わります。
あらすじだけ聞けば、とてもつまらないです。
二人の男がジャージ着て、大した会話もせず、ぼーっと長いすに寝転がってるだけ。
これ、映画なのに、やたらと台詞が少ないんです。超素朴で、なんか適当。
それなのに、最初から最後までクスクス笑えて観ることが出来て、そこらへんに溢れてる有名で人気な青春映画より、とても感情移入出来るしリアリティがあり、共感できるのです。
なにより、この原作者の着眼点が普通じゃない。
それは虫だったり、ジャージに書いてある小学校の名前だったり、父が買い物リストに「ジャイアンとなんたら」って書いて、やたらとカタカナを言いたがらなかったり。
親子でそろって「なんか、こう……」が口癖だったり、別荘の近くに住んでる遠山さんは、とても優しくてトマトを持ってきてくれたりするのに、家には絶対に入りたがらない。
そして、山の中なのに、レタス畑の真ん中だけ、電波が通じる。
普通の人間は見逃すような所に注目して、それをさらっと素朴に描く。
これこそ、正真正銘「最初から最後まで呆れるほどにつまらない物語を、新しい感性と着眼点で作った物語」だと思います。
僕が書きたいのはこういう作品です。
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